マナー講師が感じるマナーに見える新入社員の傾向
毎年 新入社員研修を担当すると、
その年ごと、また近年の傾向がみえてきます。
それは、新卒が良い悪いではなく
育ってきた社会環境が出てくるものです。
➀学生時代の責任の所在は?
学生と社会人の違いを問う時、
一昔前であれば、学生時代の責任は「自分の責任」
という回答が多くみられました。
近年多くなっていたのは「親の責任」です。
今年は複数の研修で「学校の責任」という発言が出てきました。
親御様も、学校の責任を問うことが多かったのかもしれません。
②社会人の時間は?
学生時代の時間は、自由な時間です。
社会人になれば当然 仕事をする時間でありそれは「利益を生む時間」
でなければなりません。
しかし、近年「拘束される時間」との回答も多くみられるように。
仕事で拘束されると考えるのでしょうが、
若干 仕事に対してネガティブな考え方に
変わってきているようにも感じます。
③メール力の低下
SNS時代になり、さらに学校教育もタブレットなどが導入され
パソコンを使用することや、メールを使うことも少なくなっています。
そのような世代には、メールの書き方がわからない方も。
To,CC,BCCに関しては、わからないと答える新入社員が増えました。
④FAXは小さい頃に使ったのみ
FAXはわかるけれど、使ったことはない
もしくは 小さい頃におじいちゃんやおばあちゃんに絵などを送ったのみ!
そんな新入社員が大多数。
もう少しすると、FAXって何でしょうか?
となるのではないでしょうか?
⑤ビジネス文書って何?
プライベートで言えば「手紙」
しかし、手紙を書くこともめったにない世代。
ビジネス文書のマナーは、まったく身近な点がないもの。
まして、ビジネス文書で使う書き言葉の日本語表現は、
これまで触れたことのない言葉。
別世界のような表情の新入社員続出の範囲です。
⑥電話の保留ボタンがわからない
これも何年か前から出ている傾向です。
携帯電話で育った世代。
彼らが小さい頃には親も携帯を持っており、
電話は「個」にかける時代に育っています。
そんな世代は、電話応対もハードルが高く感じるでしょう。
保留ボタンがわからない方、「もしもし」と出てしまったり、
名乗ることに慣れない方も。
⑦言葉遣いが苦手
学生時代の言葉遣いから、ビジネスに即した言葉遣いへ。
誰しも通る道です。
しかし、SNSなどの端的なコミュニケーションに慣れ、
近くにいてもSNSを送り合うことも多い世代では、
リアルコミュニケーションが苦手な方も増えています。
正しい言葉遣いで話すためには、「アウトプットの量」が重要。
使わなければ向上しないものです。
⑧なんでもスマホで撮る!
社会人になると、「メモを取るように」とよく言われるでしょう。
新入社員の世代は、「写真を撮っておけばよい」「スクショしておけばよい」
とよく言えば効率的に、悪い言えば手抜きをしがちです。
中には、研修中も画面やホワイトボードを勝手にパシャリ!なんてことも。
なぜメモが必要なのか?
なぜなんでも写真を撮ってはいけないのか?
学生時代、自分たちの尺度では当たり前だったことが、
社会人になった時に、どのような問題が生じるのか?
具体的に教えていく必要があります。
配属された新入社員を見て、自分たちのころは・・・
とつい比べてしまう先輩・上司もいらっしゃるでしょう。
彼らの育った環境を考慮しながら、教育にあたっていただくとよいでしょう。
私ども講師も、毎年の傾向をみながら、つねに研修内容を変化させてまいります。
次はフォローアップシーズン
ちょっぴり成長し、社会人らしくなった新入社員にお会いできるのを
楽しみにしております。